11/02/2007

上海グラント



先日"上海グラント"というDVDを観た。楽しめた。
この東アジアのメガロポリスは当時(1935年)から国際政治の
舞台である経済的カオス的メッカである。

今の上海もこの血統をそのまま引き継いでいるところがある。
私はこの国の今の若手作家の平面芸術に恋をしている。

アーティストの工場の様な大きなアトリエを訪ねると、そこには魔法
にかけられた様な作品がずらり並んでいる。
芸術を愛するものは、上海を愛し、北京に恋をする。


石原悦郎

7/21/2007

85/05 幻のつくば写真美術館からの20年展

2005年に、仙台メディアテークにて開催された『85/05 幻のつくば写真美術館からの20年展』の
詳細をアップしました。

この展覧会は、1985年3月に国際科学技術博覧会(科学万博ーつくば`85)の開催に合わせ、写真表現の全体像を体系的に紹介する『つくば写真美術館`85』(`85/03/09ー09/16)の回顧展です。
当時としてはめずらしい大規模な写真だけの美術館であり、その中でも、飯沢耕太郎、伊藤俊治、金子隆一、谷口雅、平木収、横江文憲という6人の若手キュレターによって企画された展覧会『パリ・ニューヨーク・東京』は、今でもたくさんの写真の展覧会へ大きな影響を与えています!

ホームページでは、その一部のみの紹介になってしまいますが、石原のテキスト『あるコレクターの夢』の全文を掲載しています。

7/12/2007

ヨーロッパとHP

石原オーナーは、只今出張中です。
ヨーロッパへ、カッセルのドクメンタを観に行ってしまいました。

ホームページの方は、アーティストの中国人も少しずつアップしています。

4/04/2007

色々な芸術家に出会った話

 1972年1月、場所はパリのプティパレ美術館。ターナーの作品「雨、蒸気、スピード、鉄道」の前であった。私はそこで突然、知人に出会った。瞬間、驚きとなつかしさが私をおそった。私は傍らにいた上品な婦人に覚えたてのドイツ語で「貴方とごいっしょの紳士は、ピアニストのウィルベル・ケンプ氏ではないでしょうか?」と尋ねた。「ええ、その通りです。あなたは日本の方ですか?」まったくの偶然であった。


その昔、叔父の買ったSPレコードの中に、ケンプの弾いたベートーベンのハンマーグラビアソナタがあった。私は、このポリドール社製のレコードを何十回も聴いては、若き日のこの巨匠のベートーベンの表現にすっかり魂を奪われていた。晩年、幾度となく来日してはケンプはベートーベンを弾いた。しかし、すでに昔日の面影はなく、力の衰えのみが耳に残った。それとは正反対に戦前のこのレコードに収められているハンマーグラビアソナタは筆舌に尽くしがたい調べに満ちた、宝物であった。キラキラしていた。


このレコードを聴いた私は、それ以来65歳になった現在までクラシック音楽を愛し続けている。ケンプ自身も「あのレコードは自分の中でも最もすばらしいものですよ。」と言った言葉はいまでも強く私の心に焼き付いている。

ツァイト・フォト
石原

3/30/2007

芸術の連鎖

先日、写真作品の納入のため東京郊外の私立美術館を訪ねた。周辺に桜の樹が多く新緑の中にその淡いピンクがよくマッチして、ちょっとした絵巻物だった。

用件を終えた後、親しい学芸員のA君が人のいない早朝の館内に飾られている収蔵品を見せてくれた。18世紀から19世紀の古典の欧州絵画が主流であるがその中の、クロード・ロラン、ロイスダールそしてド・ラトゥールの作品を見た時、感動の嵐が私を襲った。本当にひさしぶりの感動であった。

私はその日夜遅く自宅に帰ってからも、その興奮が持続していた。数年ぶりに1936年製のSPレコードを取り出した。ブルノー・ワルター指揮のワーグナー(ワルキューレー)だった。これも素晴らしかった。「高き芸術は連鎖するのだよ」とかつてビル・ブランドが私に語りかけてくれた事を思い出した。

ツァイト・フォト
石原