3/30/2007

芸術の連鎖

先日、写真作品の納入のため東京郊外の私立美術館を訪ねた。周辺に桜の樹が多く新緑の中にその淡いピンクがよくマッチして、ちょっとした絵巻物だった。

用件を終えた後、親しい学芸員のA君が人のいない早朝の館内に飾られている収蔵品を見せてくれた。18世紀から19世紀の古典の欧州絵画が主流であるがその中の、クロード・ロラン、ロイスダールそしてド・ラトゥールの作品を見た時、感動の嵐が私を襲った。本当にひさしぶりの感動であった。

私はその日夜遅く自宅に帰ってからも、その興奮が持続していた。数年ぶりに1936年製のSPレコードを取り出した。ブルノー・ワルター指揮のワーグナー(ワルキューレー)だった。これも素晴らしかった。「高き芸術は連鎖するのだよ」とかつてビル・ブランドが私に語りかけてくれた事を思い出した。

ツァイト・フォト
石原