1/15/2008

コンテンポラリー・アートの生命

ツァイト・フォトは写真と油彩画という平面作品で、日中交流展を上海美術館で企画中だ。
同時に上海や北京で開催されるアート・フェアにも毎年参加している。


そんな中、先日、私は日本国内で評判の高いアート・フェアに行ってきた。
若手のアートディーラー達が、東京、神楽坂のホテルを貸し切って、
1階から5階の30部屋ほどのスペースに、
国内の力ある画廊が自分のところのアーティストの作品を持ち寄って販売するというものだ。
アイデアが個性的なことが話題となって大勢の人達が会場に押し寄せた。
私も知人に誘われて作品を捜しに出掛けたというわけである。


ホテルの廊下や小部屋は見物人でいっぱいだった。
でも、あまりに狭すぎて大きな作品は飾れない。
ベッドの上に置ける作品のサイズはたかが知れている。
また、午後になると入場券は売り切れて、入りたくても断られる。
斬新な試みで作戦勝ちということは出来る。


しかしである。
私が毎月出掛けている中国作家のアトリエに比べると、
10分の1、いや、100分の1以下の狭さだ。
今や、世界で活躍するアーティストの作品の巨大化はとどまるところを知らず、
中国に限らず世界基準の作品サイズは数メートル級となっている。
もちろん、作品の価値は大きさではない。
しかし、この狭さが大きな作品を疎外している事実は否めない。


ここは、根本的に現代美術の生息場所ではない。
しかも、入場制限とは、言語道断ではないか。


コンテンポラリー・アートの生命はすべての人達にいつでも自由に参加してもらう事で息づく。
日本の若手がこれでは困る。

ツァイト・フォト
石原