ツァイト・フォトの親しい写真家、鯉江真紀子が、
当館の収蔵品と混ぜて新作を展示する、という事に興味を抱いたからだ。
両者は全てが幸福に満たされた関係ではなかった。
対立とは云えないまでも、不協和音をあげている時もある。
しかし、ある小部屋に展示された彼女の一群の新作は、
当館の古典、近代の名作群と熱き愛情で結ばれている様な、
激しいエネルギーと創作意欲に満たされていた。
この瞬間から私は、1920年代に、これら名画に賭けた児島虎次郎の
並々ならぬ芸術収集への情熱を感じた。
美術商として至福の一日であった。
ツァイト・フォト
石原